高血圧について
日本では3人に1人が高血圧と言われており、50歳代以上の男性と60歳代以上の女性では60%を超えています。したがって高血圧は決して珍しくない病気です。
高血圧そのものには自覚症状がないため、患者さんが積極的に治療に取り組もうとする気持ちになれないのかもしれません。しかし、脳卒中死亡者の52%、冠動脈疾患死亡者の59%が高血圧に起因する死亡者です。高血圧では男性で2.2年、女性で2.9年余命が短縮するとも言われています。
適正血圧の維持が難しい場合は医師と相談の上で薬物療法を行います。血圧の状況によっては減量や休薬を試みることもありますので薬を一生飲み続けなければいけないというものではありません。
高血圧は自覚症状が無いため見過ごされているケースが多く、大部分が健診などで発見されます。高血圧を放置すると将来的に心筋梗塞や脳梗塞などの大きな病気を発症する可能性が高まりますので、いままで高血圧を見過ごされていた方、健診で指摘されているけれども見て見ぬふりをしている方、まずは健診結果を見直すなど自分の健康に関心を持つことから始め、徐々に無理なくできる治療を一緒に探していきましょう。
皆さんがよい治療を受けられるよう我々もお手伝いいたします。
たち内科小児科クリニック
院長 舘 桂一郎